京都文化博物館にて2015年2月11より2月15日まで行なわれた、京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 デザイン科学専攻の修了制作展の様子と、その中から作品を3点紹介します。
グラフィックやプロダクト、空間デザインといった幅広いジャンルの作品が畳敷きの空間に整然と並び、独特の空気感とゆったりとした時間の流れる展示でした。

 

 

写真奥:「SHI-FU」by Haruka Sawai 紙布をポップな色合いのテキスタイルに昇華し、ブランド化した提案。

 

写真左手前:「fliprack」by Atsuki Tachibana 段ボールに磁石を仕込み、開閉する扉をつけたシステムラック。
写真手前:「ビリビリジョウギ」by Itaru Hisayama 定規をあてて紙を裂くだけで簡単に工作が楽しめる。

 

修了制作の性質上、自身のパーソナリティに焦点をあてた作品が多くありましたが、その中から「ローカリティ」「デジタルファブリケーション」「“和”の現代解釈」というテーマが読み取れたように感じました。

こちらのFacebookページにて各展示作品の紹介がありますので、是非ご覧ください。

以下、展示で気になった3つの作品の紹介です。


 
Plotter Drawing by Hiromasa Fukaji
グラフィックデザイン専攻 深地宏昌によるカッティングプロッターのペンモードを使用したドローイング。デジタルな機械に筆圧の強弱やこすれといったノイズをあえて起こさせることで、アナログな暖かい雰囲気をまとわせたデジタルとアナログの間の新領域を狙った作品です。

 

 
デジタルで表現されたノイズは、和のテイストのイラストによくマッチしています。

 

 

作品の制作過程を押さえた動画

筆やペンで描かれた図画には印刷されたイラストにはない物質感や実物を見ないと拾えない細かなテクスチャが生まれ、作品を奥行きあるものへと仕立て上げます。

同一の手法で描かれた上記以外の作品はこちらでご覧ください。


 
Geoh by Hiroshi Mitachi
インタラクションデザイン専攻 三田地博史による3DプリンタとGPSを組み合わせた登山用デバイス。国土地理院から提供される地図データをユーザーが自分の3Dプリンタで出力し、立体的な地図として登山のときに利用するデバイスとサービスの提案です。平面の地図では読みにくい起伏を俯瞰で知ることで事故を未然に防ぎ、また道程を形に残すことで達成感を得ることが出来ます。

 

 

 
GPSを取得することでデバイス上に自分の位置が赤い点で示され、それまでの道のりもデータとして記憶されます。
沢山の人が3Dプリンタを所有し始めた今と少し先に向けたデザインです。

制作の過程はこちらのHPで見ることが出来ます。


 
dèng by Jiayu Zhou
プロダクトデザイン専攻 周佳宇による机の脚がベンチとしても使用出来る家具。2つの高さのベンチと天板を組み合わせることで、座卓、ローテーブル、デスクの3種類の使用が可能です。急速に近代化の進み、狭いワンルームでの生活者の増えた自身の出身国である中国の住宅事情に合わせたシンプルで多機能な家具の提案となっています。

 

 

 

 
中国で古くから日常的に使われるベンチから着想を得た形状は、どこかの真似事のモダンさや華美で煌びやかなよく見る中国らしさとも違った独特のデザインです。


posted by Shin Yamashita