銀座の並木通りと松屋通りの交差点にある6m×10m程の角地に7階建のビルが竣工した。敷地のある街の区画は、外堀通りが運河だった400年前の木材問屋街のときから変わらず商店の間口が残っているエリアであるが、竣工までの7年間に小さな個人商店から大きな商業施設へと区画が再編され、銀座のファサードはますます煌びやかになり水平に巨大化していった。結果、かつて銀座の商店にあった道と商品の陳列棚の間にあった半外部空間の庇地がなくなり、街の風景を反射する外観がのっぺりと街区を覆ってしまった。

銀座夏野Rblgでは、避難階段を敢えて露出させ、内部と外部の2つの階段を上下に重ねながら建物に巻きつかせることで、凹凸のあるファサードを作った。カーテンウォールを兼ねた柱と什器の手がかりとなる違い棚のような梁とで組まれた、スカスカの格子状の構造体の内側に、階段が敷地の表も裏も関係なく巻きついて見えがくれしている。建物のオーナーが箸屋を営んでいることもあり、建物の骨格は繊細な寸法で組み上がるべきだと思った。リビングと同じくらいの床の店舗を支える柱は、木造住宅の柱の太さがちょうどいい。そういう身体的なモノのスケールを建築に展開していくことは、 これからの商業建築のつくり方に繋がると思っている。(TNA

外観

 

ガラスの種類と内部と外部の関係が生み出すファサードの表情

 

内部から外を見る(1階)

 


内部から外を見る(2階)

 

螺旋状に取り付く外階段

 

格子状の構造体と内部と外部の奥行きの違い

 

夜景。螺旋状の外部階段が浮かび上がる

 

 

【DATA】
設計 建築 武井誠+鍋島千恵/TNA
構造 小西泰孝建築構造設計
設備 知久設備計画研究所
施工 藤木工務店
敷地面積 53.46m2
建築面積 39.69m2
延床面積 278.98m2
階数 地上7階
構造 鉄骨造
工期 2016年2月~2017年4月

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Edited by Shinichi KAWAKATSU